比企起業大学アンケート結果についてご報告します。

比企起業大学・大学院 総長の関根です。

10年続いた「起業相談」業務委託終了がきっかけとなり、比企大に関するアンケートを取りました。その結果をこちらでご報告します。(ご回答協力下さった54名の皆さん、ありがとうございました!)

前編 「なぜ10年続いた起業支援 業務委託が終了したのか?」 | ときがわカンパニー

後編 「なぜ私は起業支援を続けるのか?」 | ときがわカンパニー

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比企起業大学 アンケート分析レポート

(回答期間:2026年4月12日〜5月15日)

「比企地域の外にこそファンがいる!? アンケートから見えてきたこと」
→ 回答者の76%が比企地域外という事実。外部への地域ブランディングの成功例と言えるかもしれないが、地域内への浸透が課題。(AIによるコメント)


目次

1. 概要

  • 回答者数:54名
  • 評価項目に回答した49名のうち、88%が「地域に良い影響を与えている」、同じく88%が「比企地域に必要な存在」と回答

※ 評価設問(地域への影響・必要性など)に回答したのは49名。未回答の5名は「全く知らない」または「名前だけ知っている」層で、設問がスキップされています。


【調査対象の偏りについて】
本調査は無作為抽出ではなく、比企起業大学の受講経験者・関係者を多く含みます(回答者の78%が内容を「ある程度以上知っている」、67%が半年間の講座経験者)。結果は地域住民全体の意見を代表するものではありません。


2. 誰が答えてくれたか(回答者の属性)

居住地

カテゴリ人数割合
ときがわ町4名7%
比企郡(ときがわ町以外)9名17%
埼玉県民(比企郡以外)22名41%
首都圏(東京・千葉・神奈川)14名26%
その他(大阪・愛知・京都・滋賀)5名9%

→ ときがわ町・比企郡内からの回答は24%(13名)。大半(76%)が比企地域の外から回答している。

性別

  • 男性:29名(54%)
  • 女性:24名(44%)
  • 回答しない:1名

年代

年代人数割合
30代7名13%
40代20名37%
50代15名28%
60代9名17%
70代以上3名6%

→ 40代が最多(37%)。30〜50代で全体の78%を占める。

現在の起業状況

  • 起業している:34名(63%
  • 起業していない:20名(37%)

起業への関心

  • ある:46名(85%
  • ない:8名(15%)

3. 比企起業大学をどのくらい知っているか(認知度)

認知レベル人数割合
内容をよく知っている32名59%
ある程度知っている10名19%
名前と概要は知っている7名13%
名前だけ知っている3名6%
全く知らない2名4%

→ 回答者の78%が「内容をある程度以上知っている」。コアなファン・関係者が多く回答してくれた形。


4. どんな関わり方をしてきたか(複数選択)


※ グラフは上位5項目。「4月から入学(1件)」「講師として関わった(1件)」は表に記載。

関わり方回答数
半年間の講座に参加した36件
セミナー・ウェビナー・説明会に参加した22件
イベントに参加した21件
個別相談を利用した18件
参加したことは無い6件
4月から入学(新規)1件
講師として関わった1件

→ 半年間の講座参加者が36名と最多。イベント・セミナー参加者も多く、受講経験者を中心としたコミュニティが厚い。


5. 地域への影響をどう評価しているか

地域への影響(49名が回答)

評価人数割合
非常に良い影響を与えている32名65%
やや良い影響を与えている11名22%
わからない5名10%
どちらともいえない1名2%

→ ポジティブ評価(非常に+やや)合計:43名(88%

地域の人材育成・起業支援への関係度(49名が回答)

評価人数割合
非常に関係している32名65%
やや関係している11名22%
わからない6名12%

→ 88%が「(非常に+やや)関係している」と評価。

比企地域にとっての必要性(49名が回答)

評価人数割合
非常に必要である34名69%
やや必要である9名18%
わからない4名8%
どちらともいえない2名4%

→ ポジティブ評価(非常に+やや)合計:43名(88%


6. 自由記述の声(テーマ別まとめ)

※ 以下の引用は、原文から要旨を抜粋・短縮しています。

◎ 良いと思う点(ポジティブな声)

① 「人とのつながり」がいちばんの価値

「長年住んでいても知り合えない、地域の起業している方々と知り合えることが出来る」(比企郡・50代)
「起業仲間に仕事をお願いするなど、比企地域への恩送り的な風土が比企大にはある」(埼玉・40代)
「在学中も卒業後もつながりを持ち続けられ、孤独を感じない」(埼玉・40代)

② 起業の背中を押してくれる存在

「本当の自分の人生をスタートさせることができた」(埼玉・40代)
「ミニ起業家という働き方やロールモデルを示してくれた。私の人生を大きく変えてくれた」(埼玉・30代)
「起業が【自分とは縁のないこと】から【身近なこと】に変わった」(埼玉・40代)

③ 実践的・継続的なサポート

「ただスキルを教えるのではなく、最初の有償の仕事をくださった」(比企郡・40代)
「継続と発展しているところ、それなのに質も高め続けているところが素晴らしい」(千葉・50代)
「実際に起業して成功している人の指導を受けられるので非常に実践的」(大阪・60代)

④ 比企地域のブランドになっている

「受講生にとって、比企大・ときがわ町・起業支援はセット。受講生の逓増は比企地域のブランディングにもなっている」(埼玉・40代)
「比企起業大学は、起業を志す人材の育成に寄与しているだけでなく、比企地域の知名度向上にも寄与している」(愛知・50代)
「ときがわ町や周辺の地域の方と話をすると、比企起業大学のワードが多くの方に認知されていると感じる」(埼玉・40代)

⑤ 数値に表れない長期的な価値

「継続的に活動なさっている存在感自体が、地域の方々の意識にポジティブな影響を与え続けている。10〜20年後を見据えた効果を信じたい」(東京・60代)
「地域コミュニティーの文化や人々の意識にポジティブな影響を及ぼしている。関根さんの姿に影響を受けている人が多くいる」(東京・60代)


△ 改善してほしい点・課題

① 比企地域内の人に届いていない

「比企地域外の起業家の方が多いというのは耳にした」(埼玉・40代)
「比企地域周辺で活動したい人がもっと増えるといいなと思います。最近、遠方の方が多いので」(埼玉・40代)
「比企大に比企郡出身の方々の参加が増えることを願っています」(比企郡・40代)
「起業大学に入学するか否かは別として、少しだけ気になっている人、知らない人にも存在が伝わることを期待」(ときがわ町・50代)

② 入りにくい・知られていない

「参加しなければ良さがわからないので、うまく伝える方法があれば。講師陣の人間的魅力を知らない人は胡散臭い起業セミナーと勘違いするかも」(大阪・60代)
「関わりにくい人もいるようです」(ときがわ町・50代)
「起業支援施設の存在が分かりにくい。日中閉まっていることが多く、何をしている場所なのか知らないという声を耳にします」(ときがわ町・50代)
「若い人たちにもこの活動が知ってもらえているか気になっています」(埼玉・40代)

③ 属人性の課題

「関根さんの属人性が強いイメージ。継承や持続性が課題では」(比企郡・50代)

④ 地域への根付き・事業承継

「比企エリアの詳細なマーケティング、地場産業の活性化や事業承継に関するセミナーも必要では」(埼玉・70代以上)
「知名度を上げることがまず必要。行政から離れたことで、ときがわ町に限らず広く比企地域の起業意識を高める役割を果たしてほしい」(比企郡・70代以上)


7. 認知度が低かった回答者が説明を読んだ感想

「名前だけ知っている(3名)」または「全く知らない(2名)」の計5名全員がアンケート末尾の「説明文を読んだ感想」に回答しました。

回答人数
非常に良いと思う3名
どちらともいえない1名
わからない1名

→ 事前知識がほぼない状態で説明を読んだ5名のうち3名(60%)が「非常に良いと思う」と評価。

※ なお、5節の自由記述に掲載した京都・東京・神奈川・千葉の方々のコメントは、この「説明文を読んだ感想」欄ではなく通常の自由記述欄への回答です。それらの方々の認知度はさまざまで、「内容をある程度以上知っている」方も含まれます。


8. 関根の所感

2026年6月30日 アンケート結果を読んで


まず何といっても、比企起業大学の関係者はもちろん、そうでない方々も含めて、54名もの方々がこのアンケートにご回答・ご協力くださったことに、心から感謝申し上げます。皆さんから寄せていただいた声は、今後の比企起業大学の運営にぜひ活かしていきたいと思っています。

アンケート結果をきっかけに、改めて比企起業大学の理念を整理してみました。私の所感を3点述べます。


所感① 良い点について——「大学」というメタファーの狙い

「人とのつながり」や「実践的、継続的なサポート」が良い点であるというお声は、本当にありがたいです。

そもそも比企起業大学が「大学」という比喩を使っている理由は、2つの関係性を作りたいという狙いからでした。

1つ目は「卒業」という区切り。
コミュニティとしての継続は大切にしつつも、入学したらどこかで一旦きちんと出口(卒業)を作る必要があると考えていました。依存心が強い方や、コミュニティを乱すような方が入ってこられた場合には、学校というメタファーだからこそ、卒業があり、途中であっても退学という選択肢を持てます。コミュニティの質を守るための仕組みでもあります。

2つ目は「先輩・後輩」という関係性。
1期生から始まって、先輩・後輩という縦のつながりが、地域の中で生まれていくことを目指していました。そもそも独立起業すると、会社員時代と違って、後輩ができにくい環境に置かれます。それが、比企起業大学に入学し卒業することで、ミニ起業の後輩が出来ていく。「比企起業大学出身」という共通の言葉が生まれ、先輩は後輩に恥ずかしいところを見せまいと事業を頑張る——そうした継続性にもつながります。

今回のアンケートで、この狙いが「良い点」として皆さんに伝わっているなら、とても嬉しいです。


所感② 改善点①について——「入り口は狭く、奥行き広く」

「地域内で知られていない」「入りにくい」というご意見、おっしゃる通りだと思います。

私自身も、この点は今も考え続けています。「広く開かれた場」であることと、「質を守る場」であることは、両立できるのか?

比企起業大学への入学においては試験を設けており、私の判断でお断りすることもあります。それはコミュニティの質を担保するためです。真剣に起業を考えている方は、自ら能動的に情報を探しに来ます。そういう方と出会えれば十分だと思っています。ネット広告で大々的に宣伝するような起業セミナー(例:事業計画コンテストで最初だけ華々しいが、その後の継続をケアしない)とは、方向性が違います。

そもそも起業に興味がある人・起業したい人は少数派で、働く人の中でも1〜2割と言われています。誰でも彼でも起業してほしいわけではありませんし、向いている人・向いていない人もいます。

「入り口は狭く、奥行きは広く」——入ってくれた方々と深く長くつながり、その方の事業継続につながる場所でありたい。それが比企起業大学の目指す姿です。

「地域内にもっと広げた方がいい」というご意見はもっともです。一方で、私は「誰にでも広く届ける」よりも、「本当に必要としている人に深く届ける」ことを大切にしたいと考えています。だから『入り口は狭く、奥行きは広く』という方針は、今後も大事にしていきたいと考えています。


所感③ 改善点②について——属人性と、100年続けるための「ハコ・ホン・ヒト」

「関根の属人性が強い」「本当に長く続くのか」というご指摘も、おっしゃる通りです。

現在、比企起業大学は風間さんに学長を務めていただき、比企起業大学講師陣として林さんや栗原さんにご協力頂き、私は総長として在校生・卒業生(アラムナイ)の活躍が目立ってもらえたらと考えています。とはいえ、外から見れば「関根個人の活動」に見えることも、当然あると思っています。

ただ、私は比企起業大学を100年続けたいと思っています。その時、私はもうこの世にいません。今年で10年が経ち、約100名近くの在校生、卒業生がいます。これから11年目、20年目と続いていく中で、私がいなくても比企起業大学が続いていく仕組みを作りたい。そのために、「ハコ」「ホン」「ヒト」という3つが鍵になると考えています。

ハコ——丸太看板20本
100年続いている学校には「ハコ(校舎)」があります。比企起業大学はキャンパスを持たず地域全体をキャンパスと見立てているので、それを表現する丸太看板を20年かけて20本建てていきます。看板が比企ら辺のあちこちに立ち、検索すると比企起業大学の情報にたどり着く——それが「ハコ」の代わりです。さらに伊勢神宮の式年遷宮のように、20年経ったら1本目から建て替えていく。その活動を続けることが、比企起業大学の継続性を示す「ハコ」になると考えています。

ホン——比企起業大学の考え方・やり方を残す
私が亡くなった後も、比企起業大学の思想が残るために本が必要です。本として伝えたい内容は3つです。

  1. 「小さく始めて、大きくせずに、長く続ける」 という事業スタイル。スタートアップのように大きくする必要はなく、従業員をたくさん雇う必要もない。小さく長く続ける起業の形を提案します。
  2. 「顧客づくり・商品づくり・現金のこし」 というミニ起業の方法論。比企起業大学で学ぶ3つの柱を、書籍という形で残します。
  3. 「分度を稼いで、余剰を推譲」 という人材像。二宮尊徳の考え方をもとに、まず自分と家族に必要なお金を自分で稼げる力を身につける(分度)。そして稼いだ余剰——お金・時間・能力——を後輩や地域や困っている方々に譲り渡す(推譲)。そういう人材を育てたいと思っています。自分だけが儲かればいい、という方には比企起業大学には入ってほしくないですし、そういう方を育成する場でもありません。

ヒト——アラムナイによる継承
本があれば、それをもとに勉強会や読書会を開いてくれる人が生まれるかもしれません。卒業生、在校生や関心を持つ方々によって比企起業大学の考え方が受け継がれていってくれたら。人が興味を持ち、続けていこうと思ってくださらない限り、継続は難しい。無理やり続けさせようとしても難しい。先々の後世の人たちがどんな形で関わってもらえるかは分かりませんが、今の私にできることとして、ハコを作り、ホンを残し、ヒトがつながる活動を続けていきたいと思っています。


比企起業大学が100年続くために、私は「ハコ・ホン・ヒト」が鍵になると思っていますが、皆さんから見ていかがでしょう?

54名の皆さんにご協力いただいたアンケートは、一つ一つ真剣に読ませて頂きました。すべてのご要望に応えることはできませんが、一つひとつが私にとって考えるきっかけになりました。今後も皆さんの声を参考にしながら、比企起業大学らしい形を模索していきたいと思います。本当にありがとうございました。


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参考:

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