比企起業大学院の前身である、比企起業塾は現在第4期を開講中(2021年2月現在)。
計20名が参加し、うち12名がミニ起業家としてご活躍されています。
先輩たちがどんな思いで起業の世界に飛び込み、何を学び、今にどう生かしているのか。
先輩起業家インタビューではそれぞれのリアルな声をお届けしていきます。
今回紹介するのは比企起業塾2期生の福島だいすけさんです。
自己紹介
福島だいすけです。
今、45歳でときがわ町山奥の大野地区という、ときがわ在住の人達が聞いてもちょっとそこやばいよねって言われるような田舎に住んでいます。
移住と同時に古民家を買って、そこに住みつつ、ちょっと商売にも使ったりしてますね。
起業塾は第2期の時に入りまして、半年学ばせてもらいました。
やっていることは極めて多岐にわたっていて、多分塾生の中でも一番何やってるか分かんないって言われる人ですね。
一番わかりやすい言い方だとライター、ちょっとふわっとした言い方すると編集者です。
編集という仕事について補足すると、最初に取材する人・場所・会社といった対象物を見つけます。それのいい要素を引き出して、文字や写真で表して、欲しい人に届けていくのが一連の流れです。俗に言うマーケティングを行っています。
具体的にライティングの方は、地元の会社・団体から執筆依頼をいただいています。
加えて、自分で出版業もしていて、ときがわ職人図鑑という冊子を作って今ネットや地元の直売所で販売しています。
あとは僕の住処でもある古民家を使って民泊をやってるのですが、これも自分としては編集の一環です。
地元の古めかしい、いい家があって、それを価値があるものに磨きあげて、こういう空間が欲しい人に届けています。都会らしい働き方・生き方してる人だったり、コロナになるまではヨーロッパの人をターゲットにしていました。
Airbnbのスーパーホストという、成績のいい人に与えられる称号をずっといただいていて、評判も結構良かったです。去年は半年間、埼玉県の旅行会社さんとインバウンドを盛り上げ施策みたいなプロジェクトのコーディネーターをやったりしてました。
宿業と関連して、地権者から家の近所にある河原を借りて、撮影や BBQで貸し出す”場所貸し業”をやってます。そこもいかに磨き上げていくかを意識しつつ、マッチングサイトを使ってグラビア撮影、コスプレ撮影、 CM の撮影とかに貸し出しています。
最後に地元の養鶏業をしています。これも地元のいい生業、宝物だと思います。
まず養鶏を学んで、自分なりにこういう風にしたほうがいいなと磨き上げて販売しています。
どれもいいものを磨き上げてほしい人に届けているという意味で編集業なんですけど、細かくするとライティングと宿業と場所貸しと鶏卵業やってます。
比企起業塾に入ったきっかけ
僕自身フリーライターとして起業していたので、比企起業塾の存在は知っていたけど関係ないと思ってたんですよね。
だけどメンター起業を実践している関根さんの近くで何かを学びたいと思って入りました。
比企起業塾に入って学んだこと
入ってみて、自分の起業の意味は解釈が違っていたと分かりました。
関根さんの定義する起業が顧客創造だという話が印象に残っています。僕は独立はしていたけど、クライアントはもともと会社員の時に仕事をしていた企業で、結局お客さんは都内の大企業なんですよね。
働く場所・時間は自由だけど、実態はクライアントからああだこうだ言われたり、下請け扱いされたり、サラリーマンやっているのと変わらない状態でした。
顧客づくりの面では過去の遺産を食いつぶしていただけで、活動したいお客さんを考えて、営業をかけて一緒に仕事していたわけではないんですよね。
だから入って学んで全然起業していなかったと気づきました。色々整理して学んでいくうちに本当の意味での起業ができるようになりつつあります。
入塾前に期待していたもの
一番は関根さんとかかわることですね。対話とコーチングをしていただきました。
あと、どれほど期待していたかは覚えていないですが、比企起業塾で得たつながりは結果的には大きかったです。
今できている仕事や作ったものは起業塾なしでは成り立たないので、そういう大事な人とのつながりができていきましたね。
ビジネスの幅の広げ方
細かい戦略を持ってリサーチしていくのでは一切なくて、日常業務をやりながらあちこち派生させていくとカードが少しずつ増えていくみたいな感じです。
僕は概ね、何事も面白そうっていうのが生きる原動力です。人と知り合えば何か一緒にやろうという話になっていきます。
だからなんぼ儲かる仕事でも、ただの駒として使うような人とは絶対仕事しないし、逆に儲からなくても一緒にいたら面白そうな人とは仕事します。それを日々重ねていくと新しいものが生まれていきます。
で、環境が大きく動いたら、その中のカードどれ使おうかなって選んでいます。
宿は当面おやすみで、場所貸しはやり方を工夫する。大々的にやりすぎて地元の空気感を荒立てるのは避けたいので、そこら辺の様子は見つつ粛々と続けていきます。
場所貸しでといえば、コスプレのお客さんがちょこちょこ来るんですね。こういう古めかしい古民家とか河原、あとは竹林や杉林と滝。そういうところで和装して決闘するシーンを撮れるのがすごい引きがあって。
コスプレのお客さんは極めてマナーがいいんですね。時間守るしオンとオフの切り替えがすごいきっかりしています。
アニメの格好をしていることでの周りからの視線に配慮してか、立ち回り方にすごい気をつけていらっしゃるんです。だから僕が付き合ってとても気持ち良くて。
なので、そういうコスプレのお客さんは仲良くやりたいなと思っています。コスプレのロケ撮影用のマッチングサイトとも提携して客足も増えています。
比企起業塾に向いている人
本が読めることは比企起業塾の方でも必須条件だったんですけど、大学も同じかなと思います。
僕も40歳前ぐらいまでは全く本を読まない人だったんですけど、本の良さって分かった瞬間にすごいブレイクスルーすると思うんですよね。
例えば、孫正義が僕のために経営のことを取りまとめて30分も時間くれないじゃないですか。
でも本はそのためにテーマごとに細く要点をまとめてで、こっちの好きな時間に読むという行為を通じて会話ができる。だから著者と話す代わりに本があると思っています。
人と話して人間は成長すると考えると、それで最もお金がかからず効率的なツールは本ですよね。で、僕は結構シャイで初対面とか苦手なタイプだから、本当に最高のツールだなって。
比企起業大学では対面で学ぶ講義もあると思うのですが、人からリアルタイムで教えてもらえる点も活かしつつ、自分一人で本を読むことが習慣になってないと多分学ぶべきことを吸収しきれなくて勿体ないですよね。
読み方もみんな自由だと思うんです。広く浅くでもいいし深く狭くでもいいんです。学ぶ上で漫画でもいいと思うんですよ。僕も難しい本は必ず漫画から読むんですよね。だから、本を読める、もしくは、そろそろちゃんと読まないとまずいかなって思ってて頑張ろうとしてるみたいな、そういう人はもちろん向いているかな。
後は何もまとまってなくて、やりたいことも何学びたいかとか目標もゴールも何も決まってなくていいと思うんですけど、とりあえず門を叩くのが大切ですね。
起業塾の一番の魅力は個別制だと思うんです。
大学生だろうと主婦だろうと、その人の立場だったらこういう風にしたらいいんじゃないって教えてくれる、teachではなくてcoachをしてもらえる点です。本人から進む方向性を引き出すことになるんですけど、それって個別の対話からじゃないと生まれないです。
実はこういう相談があるんですけど、って持ちかけることはいくらでもできると思うんですよ。自発的な行動をもって個別制をフルに活かせるといいと思います。