コニーからの質問(4月29日)に対する講師陣からの回答

比企起業大学 21春学期生 コニーからもらった質問に対して、講師陣3名が回答しました。

●比企起業大学 講師 風間さん

鋭い質問ですね。
改めて考えたこと、私が意識していることややっていることを踏まえつつ回答します。

===

・『小さな会社の稼ぐ技術』を使うべきタイミングについてランチェスター戦略は私たちが目指すミニ起業家が常に意識すべき精神的な基礎だと思っています。「いつ」と聞かれれば「常に」と答えます。大きなところでいうと、まずは「弱者」であるということを自覚しなければないないなと。そのうえで私が心がけているのは、「差別化」です。

意図はさまざまですが、
・大きな会社、他社がしないことをする
・掛け合わせで自分だからできることをつくる
・自分がやる意味(なぜ私がやる必要があるか)を考える。誰でもできることではやる意味がない
・小さな分野で考える。たとえば地域を絞る
あたりです。

そのほかの、一点集中、小さな一位、接近戦に関しては、自分も実践できているかというと、自信はないですが、意識としては持つようにしています。絶対にランチェスターに従うというよりは、弱者がやるべきこととして念頭に置き、自分が決断する上での一つの軸にするという感じです。

自分で仕事をつくっているので、ガチガチのビジネス寄りというより、楽しみとか好奇心もやはり自分の中では重要なので、あくまで自分で決めています。

①について私は同じことを思っています。自分でやりたいものであれば自分でやってもいいし、確かにやってみないと程度感もわからないし、自分に合っているかどうかもわからないからです。

自分より上手にできる人がいるのであれば任せることも選択肢というのはそれぞれの考え方しだい。下手かもしれないけど、楽しいから自分でやりたい人もいるでしょうし。私はできるかどうかだけでなく、やりたいかどうかを考えています。少なくともやりたくないものをあえてやる必要はないのでないかと。

②顧客と自分のやりたいことはトレードオフかについて

私はトレードオフにしてしまっては起業する醍醐味や意義が薄れるのではと思っています。そもそもやりたいことをやりたくて起業したのに、お客さんに求められたからといってやりたくないことまでやるのはどうなのかと。

確かに付き合いたいお客さんの要望は断りづらいですが、その場合は断るのではなく、うまくできそうな誰かを紹介する、解決できる情報を提供するなどの選択肢もあるかと思います。

付き合いたいお客さんの見極めは大事ですよね。たぶん付き合いたいお客さんは、こちらの性格とはワクワクポイントに対する共感があるはずなので、こちらがやりたくないと思うような仕事はそもそも持ってこない気がします。あるいは付き合いたいお客さんでも、こちらがどれだけできるか、どんなことができるかわからないので、とりあえず今ある仕事を依頼するという場合もあるかと思います。

現実的にはぴったり自分がやりたいことを発注されるということは最初は少ないのではないかと思うので、それが次の仕事につながりそうか、そのお客さんと長く付き合っていきたいと思うか、長く付き合えそうかなどを考えようにしています。
とはいえ、生計のためのお金も必要なので、このあたりはバランスも考えています。

あと、やりたい仕事が出てきそうなところに自分から飛び込むなんてこともやるといいかもしれません。(私は巻き込まれにいく、ということをよくやります笑)

===

●比企起業大学大学院 講師 林さん

  >この本(小さな会社の稼ぐ技術)の使うべきタイミングはどのあたりなんでしょうか。

つまづくという意味では、ランチェスターを知らずに強者の戦略をやるからつまづきます。最初からやることが一番の近道です。なにより、最初からやらないとあっと言う間に資金が尽きると思います。  

>そうなっていくといつかはランチェスター戦略が有効でないときもあるのでしょうか?

ランチェスターが有効ではない立ち位置に立てるとしたら、よほどの物量が確保できたときでしょうか。

>今後、やったことない(自分では経験できない)仕事の価値(つまり、顧客として対価を払う)ってどうやって決めていくんでしょうネ!

ひとつは自分が工数をかける価値があるかどうかで決めます。「時間を買う」と考えてもよいかもしれません。たとえば関根さんは、本屋ときがわ町を始める際の古物商許可申請を、行政書士である私に依頼してお金を払い、その労力を買いました。

あとは、自分で試して簡単にできるものでよいのかどうか。

吉野家さんとのプロジェクトでは、半年間の塾生や研修生の様子の撮影をチーム企に依頼し、お客さまにも喜んでいただきました。 もし私が自分で撮って編集したものを納品しても、顧客満足は言わずもがなですよね。  

>「顧客」と「自分のやりたいこと」だと、どちらを優先するのが是でしょうか!(二元論ではないかもですが!)

単純にどちらかと言えば「顧客」でしょう。食べていくのであれば。とはいえ、好きなことで食べていきたいから起業すると考えたら、コニーの言うとおり二元論ではないですよね。ですが、そもそも自分の売り物を買ってくれるお客さまがいるのかどうか、つまり顧客を見つけることが重要です。

(余談ですが、ゴッホと葛飾北斎の対比はこの議論に近いと思います)


>やっていく中に「やりたいこと」の解像度が上がって、その中でもやりたいこと・やりたくないことの選別を細かくしていく、というのが戦略でしょうか。 

それと共に、お客さまが変わっていく(離れていく)かもしれません。 ただ、新規客を見つけるのは大変なので、お客さまと共に成長できる、裏を返せばお客さまの成長の手助けができるような仕事を通じて、長いお付き合いができると最高ですね。

===

●比企起業大学・大学院 総長 関根

【書籍について】

>この本の使うべきタイミングはどのあたりなんでしょうか。やはり一発目ということで、やり始めた最初につまづくところとしての、ランチェスター戦略でしょうか。

「使うべきタイミング」は、「常に」です。

特に、「扱っている商品・サービスが増えてきた」「バタバタしているけど、儲かってない」と感じた時には、ランチェスター戦略に立ち戻り「弱者の1点集中、小規模1位」を肝に銘じるべき時だと思います。

私自身は、自分が傲慢になっていたり、調子に乗っていたりするなと感じる時に、ランチェスターの本、CD、竹田先生のセミナーに参加し、気を引き締めています。

「1発目」の本とした理由は、非常に読みやすく、分かりやすいランチェスター本だからです。ビジネス書になじみがない方でも、ぐいぐい読める良書だと思っています。

(この本に感激して、歌まで作ってしまった 現代アーティストの菅沼さん「ランチェスターの歌」)

>つまりは、弱者の中で一位を目指す→ある枠組みで強者になっていく、そしてまた大きな枠組みとしてみると弱者になり、また一位を目指すことの繰り返しですが、そうなっていくといつかはランチェスター戦略が有効でないときもあるのでしょうか?

私自身は、17年事業経営をしていますが、ランチェスター戦略が有効でない時に出会ったことはありません。および大勢の起業相談や事業相談に乗っていても、同じように感じています。

そもそも簡単には1位にはなれないですので、まずはそこを目指すことに注力していれば問題ないです。

===

【ゼミ内について】(質問・感想共有遅くなり恐縮です!鮮度大事)

>①まーちゃんと林さんの議論で、「まーちゃんに仕事(webデザイン)を頼むなら~」というくだりがあり、その中で一旦僕は自分でやってみたいと話した内容について、その理由として後から思いついたのですが、
・一旦は自分でやってみたい→「自分でやってみないとその仕事の価値がわからないから」という一旦の省みがあるのではと推察しました。

今後、やったことない(自分では経験できない)仕事の価値(つまり、顧客として対価を払う)ってどうやって決めていくんでしょうネ!気になっています。(これは感想です!) (もしくは、仕事をする側(会社・個人)が自分で自分の価値を決めるというのが大事なのでしょうか)

稲盛和夫先生の有名な言葉で「値決めは経営」というものがあります。そのぐらい「自分の価値の価格設定」は重要です。

そして、その値決め(価格設定)が、起業初期の段階では難しいのです。自分の価値に自信が持てない、どのくらいの価格にしていいのか分からない、本当にそれでお客様が支払ってくれるか不安等。だから、多くの起業初心者が「自分の実績、経験作りの為」等の言い訳をつけて、無料や安い価格で、仕事を請けてしまうのです。

値決めについては、今後の比企起業大学のカリキュラム内でも、一緒に考えていきましょう。

購入者側の顧客として、いくら払えばよいのか、その相場観が分からないと、払いづらいというのは分かります。そのために、まず自分でやってみて、どのくらいの労力がかかるのか、どのくらい価値ある仕事なのかを知るのは、良いことだと思います。

私の起業メンターも、新しい技術(ウェブ等)は、一通りやってみて、ある程度理解してから外注するという方法をとっています。

===

>②この比企起業塾ではおそらくビジネス側の視座になると思うので、筋違いなのかもしれないですが、・「顧客」と「自分のやりたいこと」だと、どちらを優先するのが是でしょうか!(二元論ではないかもですが!)

これは、まゆみさんのお話を聞いていて感じたことなんですが、お客様に求められたものをふるまう(お菓子を作る)というのがやりたいことに近く、絞るという話は、ビジネスの上で重要で、どっちもとれないトレードオフなものなんでしょうか。

それともやっていく中に「やりたいこと」の解像度が上がって、その中でもやりたいこと・やりたくないことの選別を細かくしていく、というのが戦略でしょうか。

この問いに対する答えは、シンプルで、優先すべきは「顧客」です。ランチェスター経営の竹田陽一先生の言葉を借りれば「粗利益は、お客からしか出ない」からです。

「自分のやりたいこと」で「顧客が対価を払ってくれること」であるのが、理想ですよね。ただ、厳しい言い方をすると、独立起業すると「自分のやりたいこと」ができると考える人が多いのですが、それは違うと思います。

会社組織にいると「上から言われたこと」をやるので「自分のやりたいこと」が出来ないのかもしれませんが、独立起業すると「顧客が望むこと」をやることになります。一倉定先生の言葉で言えば、「事業経営=市場活動」だからです。

それが「自分のやりたいこと」と重なっていればいいかもしれませんが、違った場合、「せっかく独立起業したのに、自分のやりたいことができない」と嘆く結果になるかもしれません。

ご自身に、親の財産や不労収入等、別の収入源があれば「自分のやりたいこと」を追求すれば良いと思います。それらが無く、ビジネスとして、粗利(現金)が必要であれば、優先すべきは「顧客」です。

独立起業した方の多くは、「顧客が望むこと」を一生懸命やっている内に、それが「自分のやりたいこと」と重なってくることが多いです。

そもそも「顧客が望み、対価を払ってくれる」というのは、それだけ価値ある仕事ですし、それが出来るのは、それが「得意なこと」だからです。

「自分が得意なこと=顧客が価値を認め、対価を払ってくれること」なので、やっている内に、それが好きになり「自分のやりたいこと」になっていくということもあるでしょう。

逆に「自分がやりたいこと」にこだわっていて、それが「顧客が望むこと」でなければ、どんどん現金が出て行くことになるので、生活が厳しくなります。

ビジネスとしてやっていきたいのであれば、優先すべきは「顧客が望むこと」であり、それを「自分のやりたいこと」に近づけていくというのが、現実的かと思います。

===

===

コニー、質問ありがとう!また質問してください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URL Copied!
目次
閉じる